

雷鳥です。
クライミングにおけるヌンチャクについて。
これはどちらかと言うと、これから沢や岩でリードをしたいと思っている方向けですね。
ヌンチャクは通称。正式名は「クイックドロースリング」と言います。
一般的には、15cm位の縫い込まれたスリングの両側にカラビナが付いているギヤです。
リードクライミングの時、中間支点(プロテクション)に片方のカラビナをかけ、
もう片方に自分のロープをクリップ(かける事)して、墜落防止の役をしています。
インドアジムでは、最初から壁にぶら下がっています。
市販品では、カラビナとのセットでもスリングだけでも売っています。
カラビナは、支点にかける側がストレートゲート、
ロープクリップ側がベント(くの字)ゲートというのが原則です。

ストレートゲート型 ベントゲート型 ワイヤーゲート型
※ベントゲートの替わりにも
そもそも、なぜヌンチャクが必要なんでしょう、
カラビナ1枚ではダメなのでしょうか。
実は、ダメなんです。
前述の様に、墜落防止の為にロープを中間支点にクリップするのですが、
中間支点の位置は上に向かってまっすぐではなく、左右にずれている為、
カラビナ1枚がけでロープクリップしていくと、
登っている間に支点と支点の間でロープが屈曲し、
とても登りにくくなってしまいます。
また、墜落した際、1枚がけではカラビナの逃げ道が無い為、
ロープがゲートを開いてしまう可能性もあるのです。
そこで、間にスリングを介したヌンチャクを使ってロープの流れを少しでも良くし、
また墜落時にロープの力がビナに直接影響しない様に工夫しているのです。
もちろんヌンチャクは長ければ良いという訳ではなく、
ヌンチャクが長いと墜落距離も長くなると言う短所があります。
だから市販のヌンチャクは、その辺を考慮して15cm弱位の物が多いのです。
しかし、フリークライミングに使うのなら15cm弱で良いのですが、
アルパインクライミングや沢登りを想定した場合、
市販のヌンチャクでは役不足になる場合があるのです。
一般的なフリーのルートは、中間支点を設置する場合、
コンクリートドリルで穴を開け、工業用ボンドで支点を固定します。
ときには上から懸垂下降しながら支点工作するので、
支点の場所は比較的まっすぐに近いのです。
しかし、アルパインの場合は登りながら支点を設置していきます。
時には奥まった所に支点を設置しなければならない事も多いので、
支点の場所はかなりずれる事になり、
15cm弱のヌンチャクではロープが屈曲してしまうのです。
カラビナの内、変形D型のストレートゲートとベントゲート5個ずつは、
60cmのテープスリングと組み合わせてクイックドロースリング(ヌンチャク)を作ります。
60cmではずいぶん長くなってしまうと思われるでしょう。
これは、上記のアルパインの支点を想定したヌンチャクで、
そのまま使うのではなく、下記の方法で3つ折りにして、
約20cmのヌンチャクにしているのです。
中間支点にセットする時、ロープの流れを見て、
屈曲する様なら60cmに延ばして使います。
もちろん墜落するとヤバイ所ではあまり延ばしません。
墜落の危険よりもロープの流れを重視している箇所で延ばすのです。
また3つ折りヌンチャクは、
カラビナ2個と60cmのスリングに分解できるという利点もあります。
ただ、3つ折りヌンチャクではビナの位置などが煩雑になるため、
私はアルパインクライミングの時は3つ折りヌンチャク、
フリークライミングの時は市販のヌンチャク(11〜25cm色々)を装備します。
自分がやろうとしているスタイルに合わせてギヤを考える事も、
技術向上の一つと言えるでしょう。