山岳テントについて

                                                      by雷鳥

大きさ編

 同じサイズ(例えば1×2m)でも、メーカーによって1〜2人用だったり1人用だったりする。

少人数用は同じ大きさが多いが、多人数用になると様々なサイズがある。

 長方形テントが基本。フレームが多いテントには丸い形もあるので、大きさと人数の関係は複雑になる。

 1〜2人用:約1m×2m(2.05とか2.1mとか)

 2〜3人用:約1.3×2m

 3〜4人用:約1.5〜1.7×2m

 4〜5人用:約2×2m

 その他超小型として0.8×2mなど。

目安として、2〜3人用なら「2人で余裕、3人で地獄」?

2〜3人用が一番よく売れる:「1人でも重くないし荷物が散らかせる。2人でも入れる。」などの理由から。

 

形状編

 昔はA型テントやカマボコ型テントなどがあった。現在はドームテントが主流。

ドームテント:アメリカの建築学者、R.B.フラー博士の提唱した「ジオデシック構造(最少の素材で、最大の居住空間を得る構造理論)」を応用した、三角形を主体としたパネルで構成されるテント。 

 基本は2本フレームの自立式。フレームが増えると居住空間は広がり快適になるが、その分重くなる。

 

素材・フレーム編

 現在はほぼジュラルミン製。中にゴムが入っていて、ジョイントで結合する。径は8.5mmや11mmなどがある。

細ければ軽い。太ければ強い(が重い)。使っていると少しずつ曲がり癖がつくが、実用上問題は無い。しかし、強風等の強い外力がかかると大きく曲がったり折れる事もある。その場合は交換修理が必要になる。

 

素材・生地編

 生地にはタフタ(同じ糸で織られた布)とリップストップ(格子状に太い糸が縫い込まれた布。軽く強い)がある。主に30dn(デニール・1dnは9000mで1g)〜70dnナイロンが使われ、撥水生地と防水生地、そして防水透湿生地がある。

撥水(はっすい)生地:ナイロン生地に撥水処理(水をはじく)を施した物。通気性はあるが防水性は無い。軽くてコンパクトになる。フライシート(後述)をかぶせて使う。

防水生地:主にウレタンコーティングで防水処理されている生地。フライシートやグラウンドシートに使われる。

防水透湿生地:ゴアテックスが代表格。他エントラント、ディアブレックス、エスフレッチャー等の製品もある。

 ゴアテックス(3レイヤー)の場合、表のナイロン生地と内側のトリコット(ガーゼ)生地との間に、ゴアフィルムがラミネートされている。フィルムには0.2ミクロン単位(水滴の約2万分の1、水蒸気分子の約700倍)の穴が開いているので、雨は通さず水蒸気は行き来できる仕組み。外の湿気が多いと、ごくまれに流入してくる事もある。

 雨の日など特に快適だが、若干重くてかさばりフィルムはデリケート(テント内での喫煙、焼き肉、SMプレイは厳禁!)。

 

えとせとら

フライシート:テントの外側にかぶせる撥水・防水シート。日本の気候では、ゴアテックステントにも必要(湿気流入対策)。前室が確保出来るメリットもある。→

外張:↓厳冬期にテントをすっぽり覆い、耐風性と保温性を確保するオプション。

入り口は吹き流し(後述)式。雨の少ない厳冬期の使用を前提としているので防水性は無い (あったら酸欠になる)。周りのスカート部分に雪を乗せると更に耐風性が高まる。ゴールデンウィークなど、雨が降る可能性の高い気候には不向き(防水透湿生地のテントなら問題無い)。

*内張:一部の大型テントに使われる、テントの内側に張る薄い生地。保温性を高める。

吹き流し:テントの出入口は普通ファスナーだが、冬季用テントや外張には「吹き流し(大きなトンネル状の巾着)」が付いている。ファスナーだと低温下では凍る事があり、また吹雪の時に開けるとテント内に雪が吹き込んでくるので、口紐で絞るトンネル式の吹き流しが有効。

入り口の方向:長方形のテントで、入り口の付いている面は狭い方が良いか広い方が良いか。広い面に入り口がある方が出入りしやすいが、狭い面に付いている方が、風下に入り口を向けて設営する時に耐風性が高い。

 

テント山行の装備

 テント山行という事は、1泊以上の泊まりがある山行という事で、衣食住の食と住が装備に加わってくる。

 テントだけでなく、テントの床に敷く銀マット、シュラフ(寝袋)とシュラフカバー、シュラフの下に敷く個人マットが必要。食事も自分達で作るなら、登山用ガスコンロとボンベ、コッヘルや箸・スプーン。ローソクかランタンも必要。もちろん日程×人数分の食料も。登山用のフリーズドライフードが色々ある。料理用の水筒も必要。

 メンバーが複数いれば、ある程度は共同装備にできるが、それでもザックは50L位の物が必要となる。

 

ツェルト

 テントを使わない日帰りや、小屋泊まり山行の時に携帯する小型シェルター。不測の事態で下山できず、山中で一晩過ごさなければならない(ビバーク)時、ツェルトをかぶって風雨や体温低下を防ぐ。木と木の間に吊るすなど、工夫すれば三角テントの様に張る事もできる。

 1人用で400g以下なので、テント山行でもテント担当以外のメンバーは、なるべく各自携帯するべきである。